音楽に興味を持ち始めた、中学生の頃、70年代のハードロックなどには、ほぼ関心が無かった。というか、ブラック・サバス以外は、あまり自分には関係のないものだと思っていた。スラッシュメタルに比べれば遅いし、グランジに比べれば軽いし、音は古臭いし…などと思っていたのだろう。ジミヘンなんかも、ちっともいいと思えなかったのを覚えている。周りの影響もあって、そういった感覚は少しずつ刷新されていったが、未だにクイーンはおろか、ストーンズすら、一枚も持っていない。有名な曲しか知らない。
結局のところ、僕はブルーズというものに興味を抱くことなく音楽を聴いていた。少なくとも高校を卒業するまでは。基本的に、どちらかといえばパンク以降の音楽の影響の強い音楽を聴くことが多かった。それがいいのか悪いのかはよくわからないけれども。で、まぁ、何がきっかけになったのかはわからないけれど、ブルーズを根っこに持つロックも、少しずつは聴くようになり、いつの間にか、グランジを聴き始めた頃には忌み嫌っていた、モトリー・クルーみたいな音楽も、普通に「いい」と思えるようになってしまった。現在、黒人音楽に惹かれた時期を経て、今一度、ハードロックをしっかり聴いてみようか、という思いが、自分の中に少なからずある。まぁ、もっとしっかりしたギターを弾けるようになりたい、というのが一番大きな動機なのだが。で、だ。
4-COMPACT DISC SET
ツェッペリンの4枚組ボックスセット。LPサイズ。でかい。国内盤を3980円で購入。まぁ、前に目をつけていたマンガを買いに行ったのに、売れてしまっていたというのが、購入理由の80%を占めているのだが。
ツェッペリンは高校の頃に友人にベスト盤を借りたり、図書館でライブ盤を借りたりしていたため、多少は聴いていて、何曲か好きな曲がある、という感じだった。基本的には、ボーカルの声が受け付けない感じで、そこまで好きではなかった。興味はあったのだけど。なので、正直な話、自分がツェッペリンのオリジナルアルバムを買い集めていくということは、よほど金に余裕が出来ない限り、有り得ないな、という感じだった。それなら、この値段で、曲のいっぱい入ってるボックスを買うのは、かなり得なんじゃないか?ボックスセットって持ってると楽しいし、と思い、一度出たお店に戻り、購入。
これが、よかった。これまでというのは、言ってしまえば、某ギター雑誌の影響か、「かっこいいリフのあるロック」という聴き方しかしてこなかったように思う。だから、リフものでない曲なんかは「なんかたるいな」などといった感じで、ロクに聴こうとしていなかった。しかし、よくよく聴いてみると、アコギ主体の曲に、素晴らしいものがいくつもあった。自分の中にあったツェッペリン像とは全くかけ離れたところに、よさがあったのだ。自分がいかに狭い視野でしかツェッペリンを聴いていなかったかを痛感させられた。こういうことがあるから、音楽を聴くのをやめられないのだろう。もっともっと、いいもんに触れていきたい、本当に。

ボックスセットって、ほんといいもんなんですわ。代表曲+αが聴けるし、ブックレットを読んで楽しむことも出来るし。オリジナルアルバムを買い集めるほどの気合いはないけど興味があるってバンドのボックスをお買い得な値段で見つけたら、買ってみると楽しいです。なんか、けっこう増えた、ボックスセット。