父親に会ってきた。電車に乗って知らない街に行くのは好きだけれど、今回ばかりは気が重たくてしょうがなかった。なんか、やたら色んなこと考えちゃって。まぁ、別に僕と父親は仲が悪いわけではないので、喧嘩する恐れとかってのはなかったんだけど。
埼玉の街をうろついたのは、考えてみれば生まれて初めてだったかもしれない。ちょろちょろ見て回った後、初めて一緒に酒を飲みながら、ここ数年の、現状の話を。自分自身、納得がいく内容を話せたとはいえない。よくしゃべる向こうは、何度も同じようなこと言ってくるし。ためにはなるけど、ちとキツイなぁという。まぁ、昔は気付かなかった、似ているとこなんかが見えて面白かったけれど(昔のままだったら、似てる部分があったら必死になって否定をしていたかもしれない)。それでも、僕は彼に対して嘘をつき続ける。

しかしまぁ、自分も昔はヒゲを生やして、タバコを吸っていたとはいえ、数年ぶりに会った子供が、ヒゲの生えた小汚いなりで現れ、タバコを吸ってるってのは、どうなんだろうね。俺だったら絶対にいやだな。