不規則な断片の反復

地下鉄は好きじゃない。まず、うるさい。中高と6年間、地下鉄の中で(禁止されていた)ウォークマンを聴き続けたせいで、多少、耳がおかしくなった。ような気がする。次に、景色が見えない。車窓から見える景色が大好きな人間としては、これはいただけない。自分のいるところが、一体どんなところかも読めないし。トンネルを抜けて、地上に出る瞬間は好きではあるけれど、やはり、基本的にはダメなのだ。

で、今日はそんな地下鉄に乗って、友人のライブを見に行ってみた。
初めて行く土地な上に、それまで地下にいたため、位置関係というものが、一切わからず、迷う。仕方ないので、見つけたエサ場でとりあえず買い物をしてみる。そろそろ始まるぞ、という頃になって、なんとな〜く向かってみる。そうすると、一応無事にたどり着いたりもする。
会場はライブハウスではなく、ライブも出来るバーみたいなお店。お香焚いてたり、映像が流れていたりと、趣のある場所だった。あまり広くはないため、お客はあまり入らない。そして、演奏者は目の前(パーカッショニストが自分のまん前にいた)。小さなドラムセットの音は、心地よい。まぁ正直な話、そんな状況だったので、音響はあまりいいものとはいえず、シンセ、サンプラーの音はあまりよく聴こえなかった。せっかくダブをやっていたのに。それでも、リズムの心地よさはかなりきた。パーカッション(ジャンベっていいもんですなぁ)がいるだけで、こうも違うもんなのか、と、悔しくなった。で、心地よさのためか、ライブ中に居眠りをしてしまった(子供の頃、サザンのライブで寝たことがある。たぶん、それ以来)。そんな感じで、たっぷり一時間半ほどのワンマンライブは、想像していた以上に楽しめた。

正直、こんな音楽やってるなんて、うらやましいな、と思わされてしまった。会う度に着実に肥えてゆくその友人は、実際はどうなのかは知らんが、傍目から見ると、なんだか人生を謳歌しているように思える(思えば、屋久島のよさを説いてくれたのは彼だった)。で、なんだか、色んなことを後悔したり、ネチネチ考えてる自分のことが、心底嫌んなる。しっかりしなきゃなぁ。
そういえば、ここ最近会った昔の友人たちは、皆、ヒゲが伸びていて、当然タバコを吸っている。自分の今の居場所というのは、そういう感じとはかけ離れた世界だったりする。でもまぁ、悪いことではない…のかな。